行政書士試験・直前対策|私の合否を分けた「暗記」のアレコレ

行政書士

行政書士試験は暗記事項が多い資格試験。合否の明暗を分けるのは暗記。そうは分かっていても…。暗記が苦手だった私が暗記を克服した体験談をご紹介します。あわせて試験2週間前、1週間前、直前期の最後の追い込みは何をやったら良いか。直前期の対策とメンタル的なアレコレも収録。ぜひ目を通してみてください。

暗記をしなくちゃ始まらない!

【行政書士】本当はお蔵入りになる予定だったテープです…非常に厳しい事言いますが、〇〇を軽視してる人に伝えます。

こんにちは、ゆーき先生への感謝がとまらない管理人です。受験時代はゆーき先生の講義動画に散々お世話になりました。ゆーき大学さんを利用している方も、他の予備校で受講している方も「暗記」に悩まされていることでしょう。

暗記事項の多い法律科目。とにもかくにも暗記しなくちゃ始まらない。行政書士試験は覚えることが本当に膨大ですよね。

※ゆーき大学さんの講義、感想は以下の記事にまとめてあります

ここ「だけ」覚えればいい←これが大量にある

私はいま司法予備試験に向けて勉強中です。そこで思うのは「行政書士試験のテキストや講義って、めっちゃ上手く作られているよな!」ということです。実は民法・行政法に関して言えば予備試験の択一も行政書士試験の択一も、レベル的には大差なかったりします。でもテキストの分量は1/2以下です。

行政書士試験の教材って分厚い~読むの・観るの大変~と思っていましたが、かなり適格に情報が取捨選択されていたんだなぁ、と今実感してます。ゆーき大学さんはその最たるところですが、市販の教材や他の予備校でも同じことが言えると思います。

…なのですが、そうはいっても多くない?これ全部暗記すんの?? と、思いますよね。

暗記の前のハードル

暗記事項は膨大にあるから、とにもかくにも暗記を始めよう!きっと多くの先生が言う事ですよね。本試験を終えて「もっと早くに暗記始めておけばよかった~」と実感した受験生は多いはず。私もその一人です。

ですが、個人的に一番のハードルだったな、と思っているのは暗記の要領がつかめないということです。

いろいろな暗記法がしっくりこない

単語帳や赤シートを使うとか、トイレに貼っておくなど。暗記法はさまざまありますし、上手くいかなくてもやるしかない。そうは分かって手をだしても「ひたすら暗記」っていうのが… なんというか、できない。

うまく言葉にできないのですが暗記が軌道に乗らない。頭に入ってこない。効果が上がらない。他の人のやり方を聞いてもしっくりこない。先生が「暗記しないと!」と言っていた試験直前期(たしか1カ月前くらい)になっても、私は暗記できないな~ と思っていました。 

もちろん、出来ないなりに単語を呟いたりetcはしていたのですが。「ひたすら暗記する」という状況に持っていけませんでした。

暗記作業ができません

いや、暗記できないって なんのこっちゃ。ヤル気を出して やるだけだろ。そりゃ直ぐには覚えられないけど、だからこそやるんだよ。

暗記やってて途中でやめちゃうって、単に集中力足りないだけじゃ? 

…と言いたくなるかもしれません。この「暗記ができない」を言語化するのが難しく、人に相談することもできませんでした。なんというか、とにかく頭に入ってこないので学習として軌道にのらないんです。

たとえば…留学中に運動音痴なのにテニスをやることになったことがあります。おもいっきり「セイヤッ!」ってラケット振るのに球にかすりもしない。10分くらいやったところでホストパパが「hey, KAO. それじゃ疲れるだろ。よし代ろうか」って助け舟を出してくれたことがありました。

ほんとそんな感じです。ふんっ!と気合を入れて全集中したところで、一切かすっていない…。

本試験2週間前に暗記を中断

本試験まで2週間切っている。ここからはひたすら暗記するのみ。…その局面で、私は暗記をセーブして問題集とテキストの周回をやることにしました。暗記作業はゼロではありませんでしたが「できる範囲で良い」と割り切りました。

大げさに書きましたが、この特別な時期に「周りはこんなことやってないかも」と思いながら一人だけ別の事やるのは勇気がいりました。

本番の2週間~1週間前までのこの7日間はは本当にリスクをかけた必死の追いあげでした。2日で1科目。商法は1日。動画とテキストと問題集を回転する。スケジュール的にもかなりキツかったです。

しかも「うわ…ここ超大事なトコなのに全然理解できてなかったね」という項目がボロボロでてきて。いま理解できてよかったよ…ははは いや笑えない…。この時期、ゆーき先生の記述式講座を見まくっていたのも大きかったです。

試験1週間前に分かったこと

この7日間が終わるころに色々と気づきがありました。
まず体系的な理解が進んで「この超重要なトコ理解してないからこの問題解けなかったんだね」というのがボロボロあって、まさに学習のブレイクスルーでした。

そして問題集は3周~6周目くらいにさしかかっていて、あるとき「この教科はもうこれ以上やっても学習効果低いな」と感じて、問題集に関してはいったん切り上げることができました。

ちなみに巷では問題集〇周するべきか…という話題がありますが…。個人差があるうえに、死ぬ気で解いてたら「このタイミングでこれ以上同じ問題やるのは惰性」と感じるタイミングが来るのではないかと思います。そのタイミングでとりくむのを辞めるか、解く問題を大幅に削りながらゼロになるまで潰すか。

最後の1週間でひたすら暗記

過去問つぶしがひと段落したタイミングでやっと「ここからは暗記を追い上げなくちゃ!」という暗記集中の時期に差し掛かりました。

ここで実感したことが二つ。

まず理解がある程度進んでないと暗記が頭に入っていかないこと。逆をいうと理解が進めば丸暗記しなくちゃいけない項目も減っていくので、暗記の作業が楽になります。

そして私はテキストを読むのが習慣化してるので、テキスト読みながらの方が暗記もしやすいということ。これまで取り組んだどの資格試験でもテキストの通読はしっかりしてました。

行政書士にはテキストで暗記が向いているんじゃ?

テキストを通読しながら暗記項目を確認して不要なところを潰していきます。テキスト通読って「そんなことしてる暇はない」と言われがちですし、テキストの分量が多い司法試験では同じ方法で乗り切れません。

が、行政書士のテキストについていえばページ数が絞られているので私には効率的な方法でした。(使用しているテキストにもよるでしょうが。)

上記の画像は使用後のテキストです。

基本的にテキストに載っていることは大半が必要事項なので、抜粋してまとめノートを作ることはしません。抜き出す部分の方が多くなってしまうからです。逆に不要な項目や自分の中で常識化した項目には斜線・ヨコ線を引きながら削っていきます。この削る作業は学習初期のころからやっていました。

そして特に覚えたい単語やフレーズに蛍光ペン。

具体的な手順

小さい子どもがいるので座って勉強できるのは1日1時間~ 長くて3時間程度です。(子どもの起床前1時間とテレビタイム1時間は基本的に確保するようにしていました。)

この2時間でテキストを「暗記できる状態」にしておきます。あと出来心で六法通読にも手を出していたので、この時期に座学でやったのはこの二つです。

話を暗記に戻します。まず「意見陳述手続とは」など、単元の基礎知識をザっと読んで思い出す→不要な情報は斜線→最終的に丸暗記すべき単語・文章をマーカー。合間にちょこちょこ入っている確認問題もペロッと解きます。(重要問題のみで他の問題集にも掲載されている問題がメインなので、秒で解く。解けなかったら「この単元ヤバイ!」と思っていました。)

暗記状態になったページを身支度や家事をしながら暗記します。ページ全体を見渡して斜線を引いていない部分をざっと見渡します。そしてマーカーを引いた部分をブツブツ言いながら暗記。さっき読んだページなのに「あれ?これなんの話だっけ?」と一瞬分からなくなることが本当によくあります。マーカー部分だけを抜き出して暗記しようとしてもムリで、全体を話の流れをさらいながら暗記します。

※8/23追記 勘所は『暗記のスイッチ』

以上が暗記の具体的な手順ですが、ここで一つの勘所があります。ダメ押しのように講義動画を観る、短い期間で科目を周回する、問題を解く、テキストを自分仕様にする… 一連の行動は理解するためにあります

理解して理解して、理解する。「分かった!」「これってこういうことじゃない?」「あっちの概念と繋がってるんだね」「原則例外でいえば例外ね!」「この制度ないと困っちゃうもんね」

… 理解が一定程度の深さなり量に到達すれば、これまで平面的に見えていた法律用語が浮き上がって見えるような色づくような気がします。試行錯誤に料理してみて、やっと一口食べてその味を知ったときのような。

そこに暗記のスイッチがあります。ここでいう暗記スイッチとは、暗記スタート!の合図です。(覚えた!の合図ではありません)。理解できた!やっと体感できた!そこからダメ押しの暗記が始ります。

あなたの暗記スイッチはどこ?

私の中では上述のテキストでマーキングが終わった時点が暗記スイッチを押すポイントでした。バァン!よっしゃこのページとこのページ暗記GO!そこからガがッと暗記して、すぐ次のページにうつり。…この状態に持ってこれた時点で残り1週間⁉ たった1週間で膨大な量の暗記を一気に回すことになりますから、手順がカチッと決まったのは本当に幸いでした。

そしてお気づきの通り、どの手順でどう教材を回し、どの時点で暗記スイッチを押すのかは自分で決めるしかありません。自分で自分をその状態に持っていかなくてはいけない。

果たして自分は暗記スイッチ押せてるのか。今までの比じゃないレベルで「なるほどね!うわ~~これだったのか、だからここ覚えなくちゃいけないのか!!!ソッコー覚えるわ!!」と強く感じる。この「ソッコー覚えるわ!」まで来たら今まで何度やっても頭に入らなかった情報が、即座に暗記できる。そこに到達せずに試験日を迎えると、それなりに暗記はやってきたけど なんだかなぁ、という微妙な仕上がりで点を取りこぼすことになります。

どこでも暗記できる

どんな場所で、どんな風に暗記をするか。立ってやる、座ってやる。部屋でやる、トイレでやる、お風呂でやる…。

直前期の1週間前は仕事も休みにしていたので起きて人と喋ってる時間以外は暗記をしていました。歩いていても料理をしていても暗記です。けっこう良いな~と思ったのは、雑巾がけをしながらの暗記です。身体を動かしながらの方が脳に酸素が回るので良いかもしれません。

いつでも、どこでも暗記できるようになった。試験1週間前にこれに気付いたときは、よっしゃ!受かる!と思いました。そして初めから気合だけで同じことができるわけじゃない、というのが実感です。

逆算した学習法は?

以上は試験直前の体験談ですが、ここから分かる「やっておいて良かった」学習は、テキストと問題集をある程度潰しておいて良かった、ということです。

特にテキストはある程度時間がかかってしまうので、学習初期にガンガン読んで斜線で読む箇所を削ったのが正解でした。最初の1読で2割くらい削っています。削る箇所と重要な個所の仕分けは、問題集と講義動画を往復することで判断できます。

そして盲目暗記じゃ乗り切れない試験であることは合格率を見てもお察しなので、とにかく理解するための手間暇は絶対に惜しむべきではありません。

※なお、学習初期~の学習履歴etcは以下の記事にまとめてあります。

試験直前期のメンタルあれこれ

結論として合否を分けたのは、大まかに言ってしまえば最後の2週間の追い上げ…ということになるのでしょうか。以下は暗記とは直接関係ないのですが、暗記に対する取り組み方を変えるきっかけになったメンタル的なアレコレです。

試験直前の命拾いポイント

個人的に良かった、と思ったのは2週間前の時点で自分の仕上がりのヤバさに気付いたことでした。自信のある受験生ってそんなにはいないと思いますが。この時の心境を書くと…。

「教材は出来る限りやりこんだし、初期と比べたらかなり理解も暗記も進んでいる。過去問もこのくらいの正答率だから、合格の可能性もある…かな?でも自信ないな…。いや私なんて、まだまだだ!もっと本気でがんばんなくちゃ~~~!!」

↑こういう思考というかマインドというかノリ…ヤバくない?「メンタル的に合格とは別の世界線にいるかも」と感じました。これ漫画なら「あれだけ頑張ったのに~~(涙!)」って落ちるやつじゃん。結末が見えてる見えてる。(雑な表現お許しください)。

自分で決めるしかないんだなぁ…

これらの気づきがあった時から、残り時間でやることを取捨選択しました。この時期にどんな学習をするのか、どんな選択をしてもリスクをとっているんだと思いました。そう実感できたからこの作業にどの程度の時間を”賭ける”べきかもシビアに考えました。

これが本当に過酷で「ヤバイ~~もっともっと、がんばらなくちゃ~~!」といった漠然としたフィーリングが消えました。今日〇ページ目まで死守したいな、とか。〇時でこの暗記終わるから次コレだな、とか。この作業ここまで前倒ししたから最後の1日半でもう1周できそうだな、とか。あの単元ヌケ漏れあるから最後にさらわないとダメだな、とか。そういうことを考えながら2週間過ごしました。

これまでの〇周をリセットする

「うっわー分かった気になっていた!」「ここ見落としてたー--!!」という気づきがボロボロありました。

重要度Aの問題に不正解の印をつける。印を見てくと×△〇〇 あれ、×?一度覚えたつもりになってたけど全然頭に入ってないよ!

上でも書きましたが問題集を何周するかがよく話題になっています。私の中では、1冊の問題集の中のどの単元を、どのページを、どのタイミングで、どんな風に回すか。すべてが不安で、リスクを摂る行為で、取捨選択です。この問題に何秒かけるか?解説はざっと読むにするかそれともじっくり読み込むか。誰かに教えてほしくてしかたなかったです。でも誰も教えてくれない。自分なりに毎秒の決断をしてカスタマイズしていくしかありません。同じ〇周でも人によって中身はぜんぜん違うのではないかと思います。

先生のいう通り…で安心しない

予備校や講師の先生の動画をみると、「試験日までにこれをやればバッチリ」とか「これとこれはやっておきましょう!」といった話が多々あります。が、当然、私のやるべきことを全部全部教えてくれてるわけではありません。朝起きてなにやるか。仕事や育児に時間を確保しながら、どう勉強をはさみこむか。

全部を教えてくれてるわけじゃない、そんなの当たり前なのに漠然と、大筋言う通りにしていれば受かりそうな気がしてきませんか?(私だけでしょうか)。だって先生のいう通りにやるだけでもかなり大変ですし。でも、その先がある、という話かもしれません。

おわりに~当たり前のことでした?~

いろいろ書きましたが、暗記の反省と手順については、正直「これって出来る人からしたら当たり前なんだろうな~」と思いながら書きました。理解が進んでないのに丸暗記しようってどういうこと??という話でもあります。(ゆーき先生も「丸暗記バカはだめ」と仰ってますしね。)

あらためて、自分を客観視するのって難しいことです。他人からすれば「イヤ、あなたに足りてないのコレでしょ」とか「この状態でコレやろうとしちゃダメでしょ」と簡単に分かることでも、自分で気づくのは難しい。そして、画面の向こうの先生がそれを指摘してくれるわけじゃない。気づけるのは自分だけです。

同じように「暗記が進まない!」と感じている方のお役に立てていたら嬉しいです。

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