独学合格者が行政書士試験の予備校・講座選びについて考えます。合格を確実にしたい方、限られた時間でも勉強を進めたい方に向けて各社の特徴をまとめました。受験生目線でおすすめポイント、そしてちょっと心配な点もご解説しますのでぜひご覧ください。
行政書士試験に受かるために、予備校って必要?
行政書士は「独学で受かった」「市販の教材だけで大丈夫だった」という体験談も多い資格です。そこで、初学者の方はそもそも「独学でいくべきか、それとも予備校の有料講座を受講すべきか」が悩みどころです。
独学or予備校どっち?
この問題の結論をいってしまうと、予算と時間とその人自身のモチベーション・性格の問題といえるでしょう。
受験生の中には収入的に厳しかったり、主婦で自由にできるお金が限られている方も多いでしょう。また、趣味や自己啓発が目的だからあまりお金はかけず気ままに取り組みたい、という方や、講師に頼らず自分で勉強するのが好きな方もいますよね。
逆に言うと上記のいずれにも当てはまらない方の場合、予備校の行政書士試験講座が有望かも、ということになります。
予算が限られているなら独学一択!
私自身は短期独学で合格しましたが、それは翌年に予定していた司法予備試験に予算を割く必要があったからでした。市販の教材と各社の先生方が配信されている無料動画を活用して210点での合格でした。予算が限られている方には100%独学をおすすめします。
独学のリスクはとるべきか?
一方で、他資格とダブル受験する予定がなく、行政書士をゴールにする方にとって独学のリスクをとるメリットは低いと思います。私たちは節約のプロを目指しているのではなく法律のプロを目指しています。無料のものを使い倒してお金を浮かせることに、どれだけ意味があるでしょうか。(私はけっこうストレス溜まりました。)
ということで、どちらが正解とは言いませんが、独学で我慢すべきかどうかはあまり迷う必要がありません。それより早く学習を進めたい!ですよね。
なお、独学が無理なのかどうか?予備校を利用すること自体にためらいがある方は、ぜひ以下の記事もご参照ください。
ざっと比較!行政書士試験の予備校・スクール
会社 | 講座名 | 価格 | ボリューム感 | ポイント | おすすめな人 |
伊藤塾 | 合格講座 速修生 | 168,000 | ★★★★☆ | 法律の予備校最大手 | 法律のプロを目指す人 |
資格スクエア | 行政書士講座 | 69,300 | ★★★☆☆ | 森Tしか勝たん! | 講師で選びたい人 |
LEC | S式合格講座 | 45,000 | ★★★☆☆ | 一通り入ってコスパ◎ | コスパで選びたい人 |
TAC | チャレンジ本科生 | 117,000 | ★★★★☆ | 記述式対策を応援 | 記述式が不安な人 |
アガルート | 入門総合講義 | 168,000 | ★★★★★ | プラン・教材が多い | 全力投球したい人 |
ユーキャン | 行政書士講座 | 63,000 | ★★★☆☆ | 教材とサポート充実! | コスパ・易しさ重視な人 |
資格の大原 | 30合格コース | 84,800 | ★★★★☆ | 動画量は圧縮・教材充実 | 効率的に学習したい人 |
お忙しい方向けに、先に要点をご紹介。正直なところ、どこも一長一短。値段が高いところは模試や答練が金額に含まれているなど、その値段相応な内容となっています。費用はそこそこ抑えたいな…という方なら資格スクエア・LECあたりが悩みどころ。しばらく勉強から遠ざかっている主婦におすすめなのはユーキャンです。開業予定で万に一つでも落ちたくないし勉強時間もきっちり割く、という方は伊藤塾かアガルートで100%やりこむ努力を。
(価格はキャンペーンにより変動になる可能性アリ、ご了承ください。)
行政書士試験講座・予備校のメイン7社を比較
ここからは主要な予備校の行政書士試験講座について、そのもう少し詳しく特徴をまとめました。各講師の動画サンプルへのリンクも貼っていますので、ぜひご確認ください。
業界最大手の予備校
伊藤塾
法律の予備校といえば伊藤塾。法律科を数多く輩出している予備校で「大手の安心感」を重視する方なら伊藤塾一択です。「合格講座 速修生」コースは過去問講座、記述式講座、そして2回の公開模試を含んでいます。
伊藤塾はテキスト教材に定評があります。解説、図票を活用したレイアウト。市販の教材との差は歴然です。公式サイトに「使用教材」のサンプルが掲載されています。
- 標準費用:¥168,000
- 含まれるもの:講義動画、記述式動画、模試2回、テキスト、問題集、カウンセリング制度
- 講師:坂本 国之先生(←クリックでyou tubeサンプル再生)
- こんな人におすすめ:実績のある大手がいい・市販教材は分かりにくい!とお困りの方
講師が人気で盛り上がっている予備校
資格スクエア
個人的におすすめしたいのが資格スクエア。筆者は予備試験講座を受講していますが、資格スクエアは動画を最大3倍速で聞けたりスマホ・タブレットでレジュメが見やすくて助かっています。(you tubeではなく公式サイトで無料動画をチェックすると再生環境が分かります。)
講師の先生の人柄が魅力的なのがおすすめポイント。twitterでも#行政書士で検索すると、森T関連のコメントがどっさり。人気ですね。法律の先生にありがちな、渋めのトーンで子守歌orやたらキレキレで聞いてて息切れ…ということもなく安心して聞いていられます。ここは強く推しておきたい点ですが、受講前の元気な状態で聞いた印象がよくても、毎日毎日きいていると疲れがち。森T人気の高さの理由も「ちょうどいい」所にあるのではないかと予想します。
市販のテキストでおなじみの予備校
LEC
市販の教材に定評がある、というのはポイント高いですね。予備校の教材は書店に並ぶ出版物と比べてクオリティが低いものもあります。振興予備校の場合は教材を作り始めて間もない場合も。LECのS式講座は市販のテキストをさらに改良して、テキスト分量を減らし読みやすく改良しています。
LECの教材に講義動画とスマホの一問一答アプリ、総仕上げ模試が入ったプランは4万円台とお手頃。ただし、記述対策講座や別売りのテキストなどを追加していくとお値段が上がっていくため要検討です。
- 標準費用:記述対策ナシ¥45,000、記述対策アリ¥59,800
- 含まれるもの:講義動画、オリジナルテキスト、アプリ、模試1回
- 講師:鎌田 晃生先生
- こんな人におすすめ:スマホ中心で教材もコンパクトがいい方・キレキレな先生で眠い目を覚ましたい方
TAC
声のトーンが美しく聞きやすい、佐藤講師が担当するTACの行政書士講座。LECと並んで資格書籍で有名な会社さんでもあり、講座の内容にも期待が持てます。特筆すべきは3回にわたる答練。行政書士受験生が一番おそれている記述式にガッチリ対策できます。
記述式の答練は、全く同じ問題が本試験で出ることは考えにくいため必須ではありません。しかし、同じ形式で本番のシミュレーションができるというのは大きいですね。
- 標準費用:¥117,000
- 含まれるもの:講義動画、オリジナルテキスト、スマホ版テキスト、模試1回、答練3回
- 講師:佐藤 リサ先生
- こんな人におすすめ:記述式に不安がある方
話題の振興予備校
アガルート
過去問10年分をさらうカリキュラムで、講義も基本となるもの以外に、「逐条ローラーインプット講座」「文章理解対策講座」などなど。全体的にボリュームがある内容となっていて、もうやれることは全部やりたい!万全で臨みたい!という方には打ってつけ。
講師が複数いることも、さらに悩みどころです。ただ、魅力的な先生方であること確か。法律のお堅~い印象を覆してくれる豊田講師・相賀講師はパワフルな語り口が印象的です。
資格・習い事講座で有名な予備校
ユーキャン
テキストはウェブ版・紙版に対応しているのはもちろんのこと、理解を助ける”マンガ”も取り入れたフルカラー仕様です。これはオリジナリティ高いですね。模試は含まれませんが、添削指導が7回あり最多です。
- 標準費用:¥63,000(一括払いの場合)
- 含まれるもの:講義動画、テキスト、問題集、添削計7回
- 講師:海野高弘先生
- こんな人におすすめ:やさしいテキストで勉強したい・サポートの手厚さも重視したい
資格の大原
含まれるものは答練、模試、問題集など教材のボリュームとしては充実しています。なお、所属講師が複数名にわたるため、「どの先生が講義を担当するのか」を重視する方は、事前にお問い合わせください。
- 標準費用:¥84,800
- 含まれるもの:講義動画、テキスト、問題集、記述式演習4回、模試3回
- 講師:蓑島 和樹先生、他複数名
- こんな人におすすめ:やさしいテキストで勉強したい・サポートの手厚さも重視したい
おわりに
最後に、少し怖い話をしますが2021年度の会場で印象的だったこと。私は資格の会場で周りの人がどんな勉強をしているのかな~と気にしてしまうタイプです。以前受けた保育士試験の会場はまとめノートを作ってる20代の学生さんが多かったです。そんな若い女性たちの中に、昔ながらの単語帳を見返している40代50代の方もチラホラ。園で働きながら資格をとっている先生方でしょうか。
行政書士試験の会場は?白いテキストをもっている人がとても多かったのです…。書き込みも何もない、新品同様のまっさらなテキスト。そのほとんどがA4判の予備校テキストでした。それはPCやスマホでテキストを読む方が増えた結果かもしれません。もちろん、紙派でなければ紙テキストは開く必要はありません。
試験当日に”教材に手を付けていない”ということがありませんように。…それを思うと、「ここのテキストならストレス少ない」「この先生の講義なら聞きたい」という、フィーリングの部分は大きな決め手になる気がします。
お金を出したからにはトコトン使い倒してやる!!という気持ちで頑張っていきましょう。
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