2022年行政書士試験|独学でも対策は十分?独学無理な人・向いてる人

勉強開始前

行政書士試験の受験を決めたとき、独学で勉強するか予備校などの講座を受講するか迷いますよね。合格者が「本当に独学で十分なのか」をご解説します。独学のメリットデメリット、そしてどんな人に独学が向いているかも記載しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

行政書士試験は独学でいけるか微妙な資格

こんにちは、2021年行政書士試験に合格した管理人です。これまで受験した国家資格の中でも、行政書士は「独学で行くか行けないか一番微妙な資格」だと感じました。

どの資格にも独学派・予備校派という分かれ目はあります。しかし資格の難易度が上がるにつれ独学での合格は険しい道のりとなります。行政書士は法律の専門的な知識が問われ3年以上かけて合格する人も多い難関資格。他資格と比べて、初めから予備校ありきで受講する人が多い印象です。

みんなどうしてる?独学派はレア?

この「独学で十分なのか問題」について、結局のところ人それぞれ違い、最終的には予算次第と考えられます。

独学じゃ無理でしょ!という意見も

「半年の勉強で十分とか、中には1カ月で受かったという話も聞きます」ウソです こういう人間は、「自分はたいして勉強せずに合格できた」と自慢と誇張で言っているだけで、真に受けてはいけません。

引用元:Yahoo!しごとカタログ

ネットではこんな意見も見かけました。なんというか、私が短期で受かってあなたに迷惑かけましたか?(ウソという方が嘘なんですけど…)と言いたくなる意見ですが、安易に勧めるな!ということでしょう。試験は1年に1度ですから、他人の言葉に流されずに自分で計画を立てたいものです。

独学は少数派だけど…

資格講座でおなじみのSTUDYingの調査によると、行政書士資格を保有している人の88.6%が資格講座を受講して学習したとのことです。ちなみに内訳は50.0%が通学型、38.6%が通信型。withコロナafterコロナの今となっては通信型の方が多数を占めることでしょう。

この調査を読み替えると講座を受講せず独学で受かった人は11.4%ということになります。10人中1人。少なくとも独学合格なんて”嘘”といわれるほど珍しくはないように思います。

独学合格はすごい?

実際のところ、いざ受かってしまえば独学だからといって珍しがられることはないでしょう。法律系の資格の中でも宅建・行政書士あたりは独学でとる人もいる、と認知されています。書店にもたくさん参考書がありますしね。

論文試験が必須の司法書士・司法試験と比べると独学のハードルは低くなります。(簡単という意味ではなく、相対的に。)行政書士の独学合格がすごいというより、合格そのものが「すごい」と言えるでしょう。どんな学習法にせよ合格は喜ばしいことです。

独学か予備校か…その真ん中もあります。

私が行政書士に向けて購入したのは市販のテキストと、YouTubeで有名な「ゆーき大学」さんの記述式対策講座です。最近ではYouTubeやブログなどでもノウハウを公開している先生方が増えています。そこで、予備校とは契約せず、市販の教材+αで合格する人も増えているのではないでしょうか。

こういったオンデマンドの教材を活用して合格した人を独学と呼ぶか呼ばないかは微妙なところです。(正確に区別するメリットはありませんね。)私が教材にかけた費用は6万円ほど。予備校の講座も安い物では5~6万円程度ですから、金額の差はさほど大きくはないでしょう。

受験体験記とゆーき先生の教材については以下の記事に纏めていますので、ぜひあわせてご覧ください。

結局のところ独学じゃムリ?

独学での勝算はあるのかないのか。独学合格した人にいわせれば「努力次第」「独学で問題ない!」という回答になりますし、一度でも落ちてしまった人からすれば「ムリでしょ」という回答になります。

個人的にはなんだかんだ市販の教材、無料の教材だけで行けたかもしれないと感じています。半年程度の学習期間が確保できる人に関しては、独学もあながちムリとは言えません。

市販の教材もけっこう優秀

高いお金を出して受講する予備校の教材と、2000円台で手に入る市販の教材。手厚くいろいろな情報を載せてくれているのは前者です。

他方で、市販の教材は合格に必要な情報を1冊の書籍に凝縮してくれています。忙しい人や期間が限られている人には必要な情報が少ないページ数に纏められていることは大きなメリット。

2021年の行政書士試験会場では予備校のテキストを持ってきている人がたくさんいました。そしてその多くが、新品同様のものでした。綺麗に使っているのか、活用する時間がなかったのか。教材が多いと積読になりがちです。

なお、私が使用した教材の一覧はこちらに掲載しています。

無料の教材をとことん使い倒す

前述のゆーき大学さんはじめ、数多くの無料講義動画がYouTubeで公開されています。改正情報は各予備校や出版社が無料公開していますし、市販の模試でも付録でついてきます。

たいがいの情報はネット上で拾える時代ですから、予備校じゃなきゃ手に入らないマル秘テクニックというのも無いと思っていいでしょう。

予備校の良さはノウハウ、教材、フォローアップ、他の受験生とのつながりなどを一括でゲットできる点にあります。たとえるなら料理上手になりたいと思ったときに、料理教室に通うか自力で習得するか。本を買うかクックパッドで調べるか。お金をだしてパッケージ化されたコースに乗ることが常に正解ではないと思います。

独学のメリット

引き続き独学で行くか予備校と契約するかをお迷いの方へ。比較するためのメリット・デメリットをご解説していきます。まずは独学の強みから。

費用が安く済む

私が実際に市販の教材にかけた費用は1万円程度です。試験対策ではあまり使わない科目ごとの判例集などを大人買いしても2~3万円程度で済むでしょう。予備校の行政書士講座の中には10万円以上かかるコースもありますから、独学派やはり低コストといえます。

予備校の教材は安いものでも5万円程度かかります。独学が良いか悪いか以前に、誰もが当然に買えるものではありませんよね。仮にお金はあっても、どれくらいの予算を割きたいかは人それぞれです。

タスクに埋もれずに済む

予備校と契約すると膨大な量の講義動画、そしてテキスト読み込みに時間を割かなくてはなりません。予備校経由の受験生の場合、初めの1周にかかる日数は長くなりがちです。その間、独学派は市販のテキストをざざっと読んでさっそく過去問を解き始めているかもしれません。独学なら自分の計画次第でスピード感のある学習が可能です。

周りを気にせずに済む

他の受験生がどんな勉強をしているか、もう講義動画を観終わったのか、模試は受けているのか…。予備校に所属すると勉強仲間が見つかりやすい半面、周囲と比較して焦ったり、反対に周囲と同じペースで満足してしまうこともあるでしょう。私が個人的に予備校をパスしてよかったな、と感じたのは自分の勉強が他より遅れていても焦らずに済んだことでした。

独学のデメリット

いい点もあれば悪い点もある。独学のデメリットを見ていきましょう。

教材が不親切(?)

市販の教科書・問題集のレビューを見ていくと「不親切」「分かりにくい」「説明が短すぎる」といったコメントも多々見受けられます。やはり市販の教材はクオリティに限界があります。

特に行政書士の学習では「対抗関係」「債権者代位」など、字面だけではイメージがつきにくい複雑な概念が登場します。市販のテキストでも図を使った解説がされていますが、読んだだけでスっと理解できる人は少数派でしょう。市販のテキストや問題集の解説だけでは理解できない点は、無料の講義動画がUPされていないか探す必要があります。(重要な個所ならすぐに見つかりますが)

予備校と契約していれば動画→テキスト→問題→動画、とローテーションして学習を進めれるため、足りない情報を探す手間もなくスムーズです。

計画・タスク管理が苦手な人には不向き

じっくり時間をかけたら独学でも行ける…と思いがちですが、長期の計画を立てるのは難しいものです。”1年前から準備しよう”と言っている予備校もありますが、1年間モチベーションを維持し続けるのも大変なこと。

試験何か月前の時点でどこまでの学習を終える必要があるのか、どの程度時間をさけば合格圏内に行けるのか…など、手探りで進めなければならないのが独学のデメリットです。

この点、短期受験生に関してはあまり問題にならないかもしれません。1年分のスケジュールを立てるより、半年や3ヵ月の予定を立てる方がはるかに簡単です。

メンタル的に心細い

苦手意識・コンプレックスがないこと。これは独学に必要な一番の条件ではないでしょうか。「自分は有名大学卒ではないし…」、「初学者だけど…」などなど、学習をスタートする前は不安がたくさんあります。仕事や家庭との両立も心配です。

合格した自分の姿が想像できない、自分のスペック的に受かると思えない。そんな苦手意識や不安感が強い人の場合、予備校の手厚いサポートを買わない手はありません。もちろん買ったからには勉強しなければ受かりませんが、とにかく何かしらの予備校・コミュニティに所属して、「これで受かるコースに乗ったぞ!」と感じることが転機になります。

独学が向いている人・向いていない人とは?

実際のところ、開業を目指している方や何らかの事情で合格にリミットがある方の場合、「今年の試験に命かけている」という状況ですよね。そういう方にとって、独学のリスクは安易に取るべきではないでしょう。

一方で、低予算に収めたい学生さんや主婦、そして将来の学費を蓄えなければいけない他資格の受験生については、「とりあえず自力でなんとかしてみよう」もアリです。何か足りないものがあったら単品で購入できる場所を探せばいい。今はいろいろな教材がありますから、すべてをパッケージで揃える必要性は低いです。

おわりに

個人の先生方が独自で教材を販売したり、SNS上では合格者がコミュニティを作っている時代。独学か予備校か、という議論は今後下火になっていくでしょう。一番もったいないのは迷っている時間です。自分に合う学習スタイルを選んで、さっそく学習を進めていきましょう。

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