無印のカーディガンと空耳の話|メンタル沈み期のこと

勉強日記

人生山あり谷あり。今日は私の、人生の谷間について振りかえります。無印良品のことはあまり関係ありません(なんのこっちゃ)。

私のクローゼットの名選手

5年くらい前に買った無印良品のカーディガンをずっと愛用してます。無地で丸首で、フロントがスナップボタンになっていて、家で洗えて綿100%。定番ラインなのか今も同じものが売られていました(画像は公式サイトより引用)。

なぜこれを愛用してきたかというと、私にとって”パーフェクト服”だったからです。

汚れが目立ちにくいから、子どもとの公園遊びに着ていけて

首元きちっと着れるから、仕事や授業参観にも着ていける

綿100%だから部屋着としても申し分なくて、体調が悪い日も重宝したし

夏の冷房対策にもいいし、冬はタートル着れば暖かいし。焼肉食べ放題も、墓参りもこれでOK…

こういう服ってどこにでもありそうなものですが。以上の用途を全て1着でとなると、首が開きすぎてるとダメだったり、前が開かないとダメだったりで。ともかくこのパーフェクト服を見つけて色違いのブラウンも買い足して、ずっとこれを着ていました。ず~っと。

つまり、私は何年か同じ服だけを着る生活をしていたのでした。

服選びの時間がもったいない

ルーティーン生活、シンプルライフ、断捨離が流行ったころ。この手の本に次々と飛びつきました。育児も仕事も忙しいし、周りに頼れる人がいなかったから「なんでも取り入れよう」「合理化していこう」という気持ちで、服装のルーティーン化にも着手したのでした。

7、8年でしょうか。さすがに上記のカーディガンだけということではないのですが、クローゼットの中の服は一気に減りました。…というより、自分のクローゼットをもっていなかった時期が5年くらいありました。決めたパターンの服を色違いで2着用意して、洗濯が終わったら着るだけの生活をずっと続けていたので、服の管理にかかる時間も省エネできて、なんとも合理的なものです。

ほんの少しのしんどさが

そういうことで、こんなシンプルライフに満足して何年も過ごしてきたのですが。楽をするために決めたルーティーンが、少しずつ窮屈に感じられることがありました。

久々に友達に会うとか、普段いかないような場所にいくとか。どんな場面でもおかしく見えない”パーフェクト服”を持ってしても「この服装でいいのかな」と不安に思うことがありました。そのたびに、「いや、こんな無難な服でおかしいことないでしょ」と打ち消していましたが違和感は消えませんでした。

違和感の正体はシンプルなもので、つまり、この服装は自分らしくないということでした。

断捨離して後悔したもの

今年の春に体調とメンタルを一気に崩してしまい、立って歩くのもしんどい時期に突入しました。話すと長くなるので割愛しますが、とつぜん幻聴が聞こえて話しかけてきたときは「あ、いろいろ詰んだかも」と思いました。説明が難しいのでまたの機会に譲ります。

体中が痛くてペンもマトモに握れなくて答案も書けない日々が続いて、やっと少しずつ回復したときに今までの生活じゃダメだとようやく気付いたのでした。

服を選ぶことすら億劫で、人と会うことも億劫で、誰かと喋ることも億劫で。これってやばい。本当に危機的だって、ようやく自覚したのです。

私を救った30着の服

ともかく人と会った方がいいな。人と会うためには服がいるな。そんなこんなで本当に久しぶりに、真剣に服選びをすることになりました。

夏以降に買った服の数はだいたい30着ほど。最初の5着を買ったとき「やっぱり服ってあんがい高いよな~お金もったいないかな~」なんて迷っていたのも、メルカリやセカストの存在によりあっという間に吹っ切れたのでした。古着ばんざい。

冠婚葬祭の服が雑然と置かれたクローゼットを整理して、そこに新しい服を投入して、「今日は何を着ようかな」と考えるのが日課になりました。その時間は、おおげさでなく、自分を取り戻すプロセスでした。

そしていつもワンパターンで着ていたあの”パーフェクト服”も、新しいコーデを開拓してまた活躍することとなったのでした。

自己満コーデが心のお守り

いろいろな服をゲットして、勉強仲間を募って勉強会を開催したり、友達を誘ったりして人と会う機会が増えました。増えた、と言っても月に数回程度ですが、そんなちょっとした機会すら作ってこなかったのです。

そんな私の今の服装は、というと。他人から見ればあまり変化してないような気がします。服装の系統がガラッと変わったわけでもないですし。お気に入りのSHIPSのカーディガンだって、無印のカーディガンとパッと見が劇的に違うわけではありません。

おしゃれなんて自己満だ、とはよく言われることで。私が変わったのは私にしか分からない。そしてそれで足りるのです。

おわりに

さてさて、試験を受けるとなると「勉強以外のことは後回し」「余計なことに時間を割いている暇はない」というのが定説ですし

家庭のこととなると「自分の時間なんて中々とれないですよね~」というのがお決まりのセリフ。

そんなもんだよ。みんなそうやって頑張ってる。…と信じて続けてきた生活も、無理がたたると一気に崩れてしまいます。そして一度崩れたものが元に戻るかは分かりません。

ここまで読んでくださってありがとうございます。急に寒くなった師走の初め。寒い寒い朝も、着たい服があると思うと嬉しいものですね。どうぞ体調に気を付けて、がんばって行きましょう!

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