法律の用語が難しすぎる!つまづきへの対処法|行政書士資格

勉強開始前

法律の勉強をしていると、難しい用語がたくさん出てきますよね。「対抗要件」「代理」「代位」「処分性」…。大量にある難解な用語を、いかに攻略すればいいのでしょうか。行政書士の学習初期に実践した対処法とあわせてご解説します。

とにかく難しい用語がたくさん!初学者への洗礼…

心を無にする猫

法律の資格にチャレンジしよう!決意の理由は人それぞれですが、他資格との大きな違いは「難しい用語がたくさん出てくる」というところ。もちろんどの資格にも、特有の難しさがあります。しかし、それにしたって法律のテキストを開けば難解な言葉がずらずら…「債権者代位権」「詐害行為取消権」。な、長い!何文字熟語ですか?

行政書士資格は主婦や会社員など幅広い属性の方がチャレンジされていますが、「忙しい日々のなかでもコツコツ勉強していればいつかは受かるかな…」と期待して始めたのにいざやってみると学習が進まない。初っ端らからライフゼロな状態に陥ります。

難しい用語につまづいてテキストを読み進められない

分からないところを調べていくと時間がかかってしまう

「とりあえず1周」といわれても、全く分からないものを放置していいのか心配。

初学者あるあるとは分かりつつも、誰かが背後で見守って「OKだよ!」と言ってくれるわけでもないですし。「これで良いのか」不安になります。

行政書士試験で出てくる難しい用語

最初にテキストを読んだときは、「これ本当に日本語かな…」と思ったほど難解。分からないところには付箋を貼る様にしましたが、分からないことが多すぎて付箋も大量になり、作業が崩壊しました。

ところで、「意味分からない!」と感じた用語が10個あったとき、そのすべてが並列的ってことは少ない気がします。分からない用語がどんなポジションなのか、「後回しにしておけるのか」の判断に役立ちますので、ぜひ考えてみましょう。

①実は簡単でしたのパターン

一見難解に見えても落ち着いて解説を読んでいくと、さほどではなかった。という用語もあります。

たとえば民法の「詐害行為取消権」
詐害行為=害すると知りながら行った行為 を
取消権=取り消す権利

正確な定義ではありませんが大まかにはこのように、読んで字のごとくです。(7文字熟語に身構えたわりに…)

②前提が理解できて初めてわかる用語

応用的な用語は初めからすんなり理解できなくても仕方ないですよね。

民法「代理」を習ってばかりで「無権代理」と言われても…。行政法なら「取消訴訟」が初耳なところに、「処分性」や「原告適格」と言われましても…キャパオーバーですけど!!と叫びたくなります(←誰に向かって…)

よく言われることですが、法律は基礎の部分が理解できて、やっと理解できる応用的な用語。あるいは、全体像が理解できて、やっと分かる細かな用語が沢山あります。

行政書士試験は初歩的な情報だけでなく、応用的な事項も問われる試験。学習を積み重ねていって、「やっと分かった~!」ということ、多いです。

③合格者・上級者でも理解しきれない単語

法律の勉強をしていて、「なんか同じ話なのに、こっちの解説とアッチの判例で、微妙に言葉のニュアンスが違う」とか、「アッチの判例とコッチの判例とで、両方重要って書いてあるけど…どこが違うの??」

…ということも多いです。難しい法律用語、あるいは、一見カンタンそうに見える単語でさえ、「実は諸説あります」ということが多々。

行政法の「処分性」などは真剣に学ぶとなると奥深いテーマです。民法の「物上代位」「根抵当権」行政書士の試験に受かった人であっても、理解度や暗記の仕上がりに幅があるでしょう。(筆者は予備試験に挑戦中ですが、↑この辺りはいまだに、なんどテキストを読んでも新しい感動と冷や汗があります。)

その理由は二つ。行政書士試験はなんだかんだメリハリをつけて学習して合格をゲットしている人が多いこと。そして二つ目は、法律が日々アップデートされるからではないでしょうか。一つの言葉をめぐって色々な見解があったり、新たな判例の登場で事情が変わるのも法律の面白さですね。

「難しい」「分からない!」つまづいた時にどうするか

勉強時間は限られているからテンポよく学習を進めたいのに、思うようにはかどらない。この学習初期のツラ~い時期をどう乗り越えればいいのでしょうか。

月並みですが…

民法の対抗関係や行政法の訴訟選択。難しいパートこそテキストには重要度「A」の印が。みんなが苦戦するところ=重要なところ=試験でよく出されるところ…という図式があります。当然といえば当然ですが、誰でも分かる、さほど重要じゃないところは試験にでにくいのです。

自分の中でしっくりこない箇所があっても読み進め、解き進める。月並みですけど、コレに尽きるのではないでしょうか。

サクッと検索してみる?

スマホで検索してみるのも手です。講師の先生方のブログ、法律事務所のサイトなどで優良記事が見つかります。

YouTubeで動画検索する人も多いですよね。予備校などで、いくつかの講義を丸っと無料公開してくれているところも。目でテキストを追うだけでは分からなかったところがパッと理解できることも多いので、テキスト×講義動画を併用するのは効果的です。

そして、SNS上…ツイッターやlineのオープンチャットで質問してみるのもアリです。自分の分からないところをピンポイントで聞けるのが長所。

…とはいえ、スマホを手にした瞬間、脱線したりさまざまな有料サービスに課金したくなる…というリスクもあります。そして、(当サイトも含めてですが)「せっかく時間を割いたのに、期待した情報が得られなかったな~」ということだってあるでしょう。SNS上のお悩み相談を見ていると、わりとドライな回答も見掛けします。

ネットに答えを求めるなら、どのあたりで切り上げるか時間を決めるのが賢明。私は夕食後のネットサーフィンにあててた時間を、資格の情報収集に充てることにしていました。「この時間の枠内」と決めてしまうのがおススメです。

1秒で「分別」するスキル

突然ですが、ゴミの分別ってどうしてますか?タッパは燃えるゴミなのか燃えないゴミなのか、資源ごみの纏め方など、自治体によっても違いますよね。学生や社会人になって実家を出たとき、ゴミ捨てってめんどくさいな~~って感じます。

でも最初は「〇〇って何ゴミ?」といちいち調べていたのが、慣れてきたら1秒で判断してゴミ箱にINできる。勉強でも同じようなスキルが求められる気がします。(ゴミ箱行の知識はありませんが!)

「最重要」「必要」「後回しOK」…。これにABCの三段階で印をつけてくれているのが市販のテキスト・問題集です。でも話はそんなにシンプルではなくて、よくよく取り組んでみると同じランクの中でも濃淡があります。

読んでいる人によって得意・不得意は違いますし、理解の仕方に幅がある。結局のところ、いまこの場で後回しにするのか、しないのか。あとどれくらいの時間をかけてから次の単元にうつるのか。決断が求められています。そして誰かが決断を代わってくれることはないので自分で決めて倒していくしかない。そしてこれは試験当日、どの問題に何分間を割くか、という決断力につながっていきます。

「よくわからないけど、とりあえず〇〇っぽい」

難しい単元を切り上げる時におすすめなのが、「だいたいこんなイメージ」という雰囲気だけでもつかんでおくことです。

たとえば対抗関係。よく分からない、さっぱり分からない。が、たぶん誰かと誰かがバトルする話だ!

AがBに対抗できる・できない…。私はポケモンのバトルを思い浮かべていました。ポケモンの世界って何もないところに喧嘩が始まるわけじゃないんですね。「バトルしようぜ!」みたいな前約束があって、よし、ピカチュウ、君に決めた!ピッカーッ(以下略)みたいな。

登記をゲットしているかどうか以前に、そもそも対抗関係に立っているのか。バトルが始ってるのかいないのか?? 「よくわかんないけど、こんなことが問題になっていた気がする」というフワ~っとした印象を持っておくことが後々役に立つし、誰かの解説を聞くにしても頭に入りやすいです。

「この単元むずかしすぎダルすぎる」と思ったら、「〇〇っぽい話かな?」と考えてみるのおススメですよ。

おわりに

筆者が学習をスタートしたのは8月だったため、「細かいところに気をとられている時間はない!」「まずは1周せねば~!!」と思って猛ダッシュをかけていました。

分からないまま突き進んでいいの?という問いに対しては、半分〇で半分×、というのが本音の実感です。丁寧にやったパートはやったなりに頭に残っているし、「ここ読み飛ばしたからこの問題が解けないんじゃん!」とイライラする場面も多々ありました。

そして、なんだかんだ言って、取りこぼしたところは後でリカバーできます。今できることを進めていきましょう!

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