専業主婦が資格を目指すとき|専業ママの就職と資格のアレコレ

キャリア

いま働いていないけど、いつか働きたい。将来のために資格をとってみたい。資格取得にチャレンジしようかな?と検討中の専業主婦の方へ。家事育児と勉強のアレコレを実体験もとにご解説します。

専業主婦が就職するなら資格が必要?

結婚や妊娠・出産を機に会社を辞めたり、夫のサポートや親の介護のために家庭に専念したり。専業主婦になった経緯はさまざまですよね。私自身も妊娠を機に勤めていた会社を辞めました。(育休実績のない会社であったことなどが理由ですが、ここでは割愛します。)

そんな専業主婦の女性の中でも「いつかは働きたい」と考えている人、多いのではないでしょうか。

「私でも就職できる?」という不安

無職の状態からの就職活動。その不安は実際に同じ立場になった人にしか分からないかもしれません。専業主婦の期間が長ければ長いほど、就職は大きなハードルに感じられます。

どこで?どんな仕事を?以前に「私にできる仕事なんてあるの?」…という不安感が大きかったです。さらに子どもがいるママの場合、子育てに理解がある職場を探すのは大変なことです。ワーママ(ワーキングママ)の椅子は勤続年数が長い人で埋まっているのではないか?専業主婦の子持ちの女性をわざわざ雇ってくれる会社なんてあるの??…と心配していました。

資格にチャレンジするという決断

ずっと不安な気持ちでいるより、将来のために何か役立つことをしたい。そうだ、資格だ!…よくある話かもしれませんが、家事育児に専念している女性にとって資格の挑戦は…「受ける」と決めるだけでも大きな決断ですよね。

私は産後に3つの国家資格をとりました。一番最初にとった保育士試験を受けると決めた時の気持ちが、今でも忘れられません。今まで学んだことのない分野、未知の世界です。「私でも挑戦できるものなのかな?」「とって役に立つのかな?」と色々悩み、調べて「よし、受けよう!」と決めたことは大きな大きな決断でした。

資格は取った方がいい?実際は

資格試験を受けようか、どうしようか。こう悩んだときに「勉強して、ちゃんと受かるかな」というのが大問題。しかし、専業主婦の場合はそれと同じかひょっとしたらそれ以上に「とって役に立つかな」が大問題です。

「資格って役に立つの?」という疑問

「資格を目指したい」と夫に打ち明けたときに、夫の第一声は「それ、役に立つの?」というものでした。続けて出てきた言葉は「就職できるの?」「フルタイムで働くの?」「子どもは保育園に預けるの?」

そうです。資格をとるのは大変なことですが、とって終わりじゃない。資格を活かした職業に就いて収入を得るまでには①子どもの預け先問題と②就職活動、そして③夫の理解・協力という三項目を同時にクリアしなければいけません。これって控えめにいっても、かなりのハードルですよね。これとは別に④子どもが登園してくれるか⑤発熱お呼び出し問題など…課題を挙げればキリがありません

私の場合は…

さて、結論から言ってしまうと私自身は合格後、正社員として就職した経験はありません。その前提でこの先を読み進めていただければと思います。ただし、フリーの仕事と保育士のパートを並走して、ほぼフルタイムに近い働き方をしていた時期もあります。保活に失敗したり2人目ができたりで、もだもだしているうちにフリーランスに落ち着きました。

正社員としての就職は?

え?じゃぁやっぱり未経験からの保育士就職って難しいの?と気になった方に軽くお話しすると、私と似たような経歴で非正規雇用→正規雇用になった先生方もいましたよ。次々に園が新設される時代ですから、預け先問題がクリアできてヤル気があればチャンスはあるのかと。保育士業界はかなり求人数が多いです。

とはいえ、もちろんお住いのエリアによっても大きな差があります。そして初めから正社員として就職先が見つからない場合は、非正規雇用として経験を積む期間が必要かもしれません。これは保育士に限らず、他の職種でも同様でしょう。

正社員になれないなら要らない?

ふむふむ、最初から正社員は難しいかもしれない。それじゃぁ最初はパートでも。子どもも小さいし。…え?それじゃ資格とる意味あるの?

…と感じた方もいるでしょうか。うちの夫が言うには「パートならコンビニでいいじゃん」だそうですよ。(これを言われたときの私の心境をお察しください。)

つまり、資格をとるべきか問題をつきつめていくと、二つの考え方があります。「正社員の就職が確約されてないなら資格とるのやめとこうかな」という考え。それか「就職できるかはさておき、まずは資格をとってみようかな」と考えるか。これはもう、どの資格でもそれぞれに分かれます。

まず資格をとってみるという道

資格をとろうか、やめようか。それは究極のところ、個人の価値観によりけり。すでに仕事に就いていて、その道のキャリアアップとして資格をとる…という話ではない。専業主婦が資格を目指すのです。…となると、やはり何が正解とも言い切れません。

即就職できる魔法の資格はない

なんのための資格かというと、やっぱり資格を活かして活躍したい、つまり働きたい。だから就職の話を棚上げすることはできません。

ですが。やはり「これを採ったら即就職できるの確約」なんていう魔法の資格はないわけです。司法試験に受かった弁護士でさえそれなりに就職活動だそうですよ。

資格がないと始まらないのも事実

就職はそれまでの経歴・地域の求人数などにも大きく左右されます。とはいえ。資格がないと何事も始まらない分野というのもあるもので。

保育士なら保育の学校にも行っていない、完全な未経験で参入するのは難しいのです。たとえば保育士ではなく単純作業メインの「保育補助」なら、無資格でもこなせるかもしれません。が、無資格・未経験OKの求人は本当に少ないのです。保育士の世界では「昔働いてたけど今辞めてる」という潜在保育士が相当数いるから、わざわざ無資格者を採用するメリットがあまりないのかもしれません。…というわけで、資格がないことにはそもそも飛び込めない世界もあるのです。

パートだって資格あった方が有利

「パートくらいならすぐに見つかる」という方には無関係ですが。私は非正規雇用であってもやっぱり「自分なんかにできる仕事あるの!??」と心配していました。そしてその心配は、保育士合格→面接でサックリ採用となり解決しました。(「有資格者で、元気な人」くらいの採用基準だったのではないかと思います。)

異業種のパートママに聞いても「前歴がこれだったし資格もあるからこの職場」とサクサク決めている人がいたり、「条件いいから倍率高かったみたいだけど、資格持ってたのが良かったのかなぁ」という話も聞きました。非正規雇用であっても侮れない求職活動。やはり資格は役立ちます。

勉強している時間が楽しい

資格をとる大きなメリットとして、学ぶことの充実感があります。来る日も来る日も家事育児に明け暮れ。専業主婦の話題といえば100円ショップで買える家事グッズの話とか、ドラマのあらすじとか。それも主婦の楽しみではありますが、何か自分を高められるようなことってないものか。

目標を決めて専門的な知識を身に着けることは楽しい。もちろん勉強は大変ですが、学ぶ楽しみは尽きません。

資格をとれば自信がつく

説明不要ですが、声を大にして言いたい。資格をとることは本当に本当に自信につながります。特に専業主婦にとっては大きなことです。

子どもが幼稚園に入り働き始めて、こんな出来事がありました。園の廊下で個人面談の順番を待っていた時のこと。隣のクラスの初対面のママが話かけてきてくれました。ちょっとした会話の後に「お仕事帰りですか?」と聞かれて、そうです、と答えると「大変ですね」と労ってくれて…ここまでなら社交辞令かな?

そのママは、「すごいですね…。働いているっていうだけで、もう尊敬します。」と言ったのです。順番が呼ばれて話は終わったのですが、その言葉が心に残っていました。「いやいや、尊敬されるような大した仕事じゃないんだよ~」という気持ちとともに、「わかる、わかるよ!私もそう思ってた!」という気持ちが入り乱れて。専業主婦ならではの引け目というか、ワーママと自分との間に線を引いてしまう気持ち。そんな気持ちがぜんぶ吹き飛んだ今があるのは、資格をとったからなのです。

おわりに ~自分自身の選択を~

さてさて、ここまで資格に挑戦する意味を力説してしまいましたが、そんな私にも簿記4級挫折という苦い経験があります。がんばって教材そろえても無駄になってしまうこともありますから、挑戦するのが絶対正解…とは言いません。

資格をとるのは長い道のり。好きでないと続かない。周りを見渡せば「資格くらいないとね」と言う人、「資格とって意味あるの?」と言ってくる人、どちらもいることでしょう。周りに流されるのではなく自分自身でコレ!と思う選択をできると良いですね。

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