保育士になって失敗した「子どもの好き嫌い」問題

保育士

産後に保育士資格をとった二児の母です。我が子の偏食について悩んだ際の体験談をお話します。子どもの好き嫌いの原因や、対処法・克服法についてお悩みの方はぜひチェックしてみてください。

子どもの好き嫌いは克服できる⁉

こんにちは。資格試験に挑戦中の管理人です。今日は保育・育児関連のお話で、子どもの偏食について。

保育の勉強は自分自身の子育てにも役立ち、資格を良かったことはさまざまあるのですが、唯一「これは失敗だったな…」と反省していることがあります。それが、子どもの好き嫌い問題です。合格し、念願の保育士になったころ。1歳のころから好き嫌いが多かった長女への対応について悩んでいました。

保育園の子は好き嫌いが無い!

保育園で働き始め、一番驚いたことは「みんな給食を残さず食べる」ことでした。保育園の子はよく食べる、という話は聞いていましたが「そうは言っても偏食家の子もいるだろう」と思っていました。それなのに…園児を50人60人と観察していても、みんな給食を完食しているのです。

そのとき唯一食べ残しをしていたA君は、入園して間もない途中入所の男の子でした。その子も、ベテランの先生が根気強く付き合って、一つまたひとつと食べられるものが増えていったのです。すごい!みんなやればできるんだ!…と感心させられました。

保育士の私が犯した育児の失敗談

子どもの好き嫌いを克服するには根気が必要です。工夫も必要です。一口ずつ…小さな子ども用スプーン一杯にも満たない、米粒くらいの少量から挑戦してもらいます。そんな少量でさえも口に含むのを嫌がるのが子ども。限られた給食の時間で個別対応するのは骨が折れることです。

しかし…そんな地道な努力で偏食を克服していく様子を見て、「うちでもできる!」と思い込んでしまったことが私の失敗です。

家と園では違う

当たり前ですが園と家では違う。未就学児を抱えるママパパなら一度は聞いたことのある話。園でできることでも、家ではできない、そんなの「あるある!」。家ではできないことも、集団生活の緊張感や環境の違いからできるということがあるものです。

…とはいっても、同じ食材があの場所では食べられて、この場所では食べられない。そんなことがあるのでしょうか。それって気持ちの問題で、つまり「甘え」てるだけなんじゃないの?だとしたら。家で親に甘えるのは自然なこととして。本気を出せばやっぱり食べられるんじゃないの?

食育の成功と反省

やればできる、きっと食べられる。根気よく付き合えば、小さな一歩から始めれば!…と考えて、我が子に来る日も来る日も「食べてみよう作戦」を決行。娘が3歳のころ、半年ほど続けたでしょうか。その結果、細かくしたり調理法を変えれば食べられるという成功体験はいくつかありました。エノキやネギなど、食べられるようになっておいて良かった~!と感じています。

しかし一方で、根気よく付き合うのは本当に骨が折れる物です。お互い譲れぬ我慢合戦に発展し、挙句こちらがイライラすることが一度や二度ではありませんでした。つまり、私の食育は無駄ではなかったけれど、やっぱり反省点も多かったのです。家族が食卓を挟んで、イライラする必要が果たしてあったのだろうか。

「なんでも食べられる」という思い込み

他方、保育園での仕事が二年目に突入し、他の学年を見るようになると好き嫌いのある子にチラホラ遭遇するようになりました。また給食を完食できる子の中にも、ある食材はしぶしぶ…というか、わりと我慢をして食べている子もいたのです。自分の観察力の低さを痛感しました。

つまり、「なんでも食べられる」「根気よく付き合えばいつか必ず克服できる」…というのは思い込みだったのです。やはり時間をかけても食べられない子もいましたし、「食べられる」の中にもグラデーションがあることが分かりました。

好き嫌いの原因とは

さて、ここまで書いておいてお恥ずかしいのですが、私自身も好き嫌いの多い子どもでした。小学6年生まで食べられるもの方が圧倒的に少なく、常に成長曲線の下限ギリギリにおり、定期的に通院していました。そんな経験も踏まえて好き嫌いの原因について軽く触れたいと思います。

味覚の発達過程にあるから

子どもの好き嫌いの原因としてよく挙げられるのは酸味や苦みなどが強い食べ物を本能的に避けている、というものです。ピーマンが嫌いな子が多い所以といえるでしょう。

歯ごたえ口当たりが苦手

大根などシャキシャキとした歯ごたえが残った状態では(たとえ火が通っても)苦手な場合があります。3歳未満の低年齢の子だけでなく、嚙む力が備わってきてからもトロトロに煮た状態なら食べられる場合があります。調理法に関わらず、独特の食感がイヤ、ということも多いですよね。キノコのぐにゅぐにゅした食感が苦手な人は大人でも多いです。

見た目への抵抗感

色が独特であったり、テクスチャーの問題であったり。うちの子はリゾットとお粥の「ベタベタした感じが嫌」といって食べません。食感がイヤ…以前に、一切口にしてくれず、見た目で拒否している気がします。ちなみに、かわいく盛り付けたりキャラ弁にしてあげると食べてくれる例もあるそうです。(が、これは親が料理の見た目を工夫すれば必ず食べてくれるという話にはつながりません。)

アレルギーの問題

保健師さんから聞いた話です。昔からなぜか果物が苦手という方が、子どものときに受けたアレルギー検査では陰性だったのに、大人になって改めて検査したら果物アレルギーだと分かったとのこと。今は判明していない、体質の問題が関わっている場合もあるようです。

血糖値の問題

大人よりも活動量が多い子どもは、必然的に高カロリーの食べ物を優先的に食べることがあるそうです。私自身も低血糖症に陥りやすくそれをカバーするために甘い物・炭水化物を食べたがっていました。周囲の理解がないと「単にお菓子ばっかり食べている好き嫌いの多い子」と捉えられてしまいます。大人より小食な子どもが野菜を食べてしまうと、1回の食事で必要な糖分が摂取できなくなってしまうため、自然にそれを避けていたのかもしれません。

(ちなみに…この理屈が分かったのは、大人になってサラダだけ食べて満腹になってしまい、日中に低血糖症で倒れる失敗を何度かやらかしたからでした。)

おわりに ~偏食とうまく付き合う~

子どもの食の好みは十人十色。そんなことは分かっているはずなのに、やはり作ったからには食べてほしいし、我が子に嫌いな食べ物が多いとハラハラしてしまいます。子どもに時間をかけて向き合う時間は有意義ですが、引き際・見極めも肝心ですね。

さて、今回は保育・育児のちょっとした失敗談でした。資格はとってからがスタート。合格後も学ぶ姿勢を忘れずに、試行錯誤していきたいですね。

コメント