行政書士の試験対策で一番最初にやること|過去問はいつから解くか

行政書士

本格的に行政書士試験の対策を始めよう!という方へ。学習初期に「やってよかった」と思ったことをご紹介します。どの教科から?テキストから?過去問はいつから解き始めればいい?学習計画でお悩みの方はぜひチェックしてみてください。

行政書士の試験対策、何から始める?

合格を目指して、いざ勉強を進めよう!…と決意したときに、まず最初に何から始めればいいか…。多くの受験生が悩むポイントです。試験日程をチェックした。教科書と問題集を買った。さぁ次は?いきなり決断のときです。学生時代に、学校の先生が授業を始めてくれたのと違い、資格の勉強はすべてが自主学習。一つ一つの行動を自分で決めなければならないのが、難しいですよね。

一般的にいわれるのは…

塾・予備校各社の情報をチェックすると、『学習計画を立てましょう』『〇〇の教科から始めるのがおすすめ』といった情報が出てきます。

〇〇の教科から始めよう

効率のいい勉強を進めるためにも、スケジュール表を作成することをおすすめします。(中略)

基礎法学を最初に勉強し、憲法・民法・行政法の順に勉強を進めましょう。最後に商法・会社法・一般知識等を勉強します。そのあとは、模試などを受けるなど直前の試験対策を行うといいでしょう。

ユーキャン

おすすめの勉強の順番は、「民法→行政法→憲法・基礎法学→商法→一般知識」です。

アガルートアカデミー

これまた、会社によってハッキリと学習順序が分かれていますね。法律の基礎固めを重視するなら基礎法学から、ボリュームの多い教科から攻略するなら民法から、という話になるでしょう。甲乙つけがたい選択です。

まず〇〇からやりましょう

正しいスタートとは何でしょうか。それは、学習対象を正しく絞り込むことです。(中略)

まず、過去問を解説と一緒に読んでください。
決して、考えて解答せず、最後まで、全部を読んでください。

資格取得エクスプレスby STUDYing

し、しびれる回答ですね…。決して考えず全部読む。覚悟を持って参加せよ、ということでしょうか。この資格のシビアさを感じさせるアドバイスですが、やっぱりコレに尽きるのかもしれません。

まずは過去問1年分を解いてみるのがおススメ

どの教科から攻略するべきか、どんな風にスケジュールを立てるのか。教材はどんな物を買い足して、何をメインに使うのか…。考えることはたくさんありますが、まず当たりをつけるために過去問1年分を解いてみるのがおすすめです。

過去問1回目で学ぶべきこと

私が学習スタートの初日からスタートしたのは過去問を解くことでした。そして、この初回の過去問チャレンジがもたらす情報量は計り知れません。過去問を後回しにしてテキストや肢別問題集を回している方がいたら、ぜひ過去問を解くことをおススメしたいです。

①試験の全体像を理解する

全体で何問あり、各科目で何問ずつくらいあるのか。1問解くのにどれくらい時間がかかって、全体ではどうか。一般知識ではどんな問題が出題されるのか…。これらの情報はネット上のまとめ記事でも拾えますが、百聞は一見に如かずです。「えッ商法ってこれだけしか出題されないの?」「この科目、問題文が意味分からない…」などなど、戸惑いも大いにありますが、それも勉強です。

②読み飛ばしとメリハリを学ぶ(超重要)

初回の過去問は解けなくて当然。のみならず、解説を読んでも理解できないのが通常です。見たこともない用語が沢山でてくるから、答え合わせをしたところで意味不明。それでいい…というより、それがむしろ好都合だと思います。

「”代理”って誰かが代わりに何かする話なのかな~」といった具合に、単元のイメージをつけるトレーニングができます。教科書で「代理の定義とは」と読むところから始めてしまうと、このトレーニングはできません。

そして、「対抗関係って意味分からないけど超重要って書いてあるな~」とか「この問題は重要度Bで、正解率20%くらいなのか~」といった調子でボンヤリ解説を読み流していきます。学習が進めば進むほど、一歩引いた目線で教科を眺めることが難しくなりますから、客観視できる今のうちにザッと見しておきましょう。

③過去問を1周するのにかかる時間が分かる・学習のリズムが作れる

60問を3時間で解く。最初は1年分の過去問をとくのに膨大なエネルギーがかかります。私は1日20問、4日かけて解きました。初期の学習は朝の30分くらいです。1日何分割けば何問くらい解けるかが分かれば、5年分の過去問をまわすのにどれくらいの日数が必要なのかわかります。試験までに何周回せるのかも自動的に算出可能。

「やみくもに過去問を解きたくない」という方の場合、とりあえず古い年度の過去問を1年分を解いてみてから、次着手するまでにどれくらいの期間を開けられるか、目途をつけておくことがお勧めです。

④学習スケジュールが立てられる

「試験日から逆算してスケジュールを組む」「可処分時間からできることをリストアップする」といった話をいろいろな所で目にしますが計画を立てるのには、とっかかりが必要です

問題をとくスピードや、回答解説を読むのにかかる時間はこれから激変していきます。そのため、まずは「試験日までに最低〇周したいな、できそうだな」という大枠がつかめたら、向こう1ヵ月の学習スケジュールを細かく立てていきます。1ヵ月が経ったら、その課題をふまえて2ヶ月目の計画を立てましょう。

⑤ヤマカンで解ける問題がある(超重要)

個人的に一番貴重だと思ったのが、初回のまっさらな状態で何問解けるかという情報です。法律の知識はない、テキストも読んでない、初見の問題です。マークシート方式ですから、運で合っていることもあります。

法律で侮れないのは「妥当な結論はどっちか」を見抜く力です。ある行為が有効か、無効か。〇〇を主張できる、できない。1問でもいいから「これってコッチっぽいな~」と勘を働かせてみましょう。10問に1問でもヒットする問題があれば御の字。学習後半になり、「うわ~この教科、ぜんぜん進んでないよ~」といった状況になったときに、「でもゼロ点からのスタートじゃない」と思い込めれば次に進めます。

⑥一般知識の現実を知る

実は行政書士で一番厄介なのは一般知識ではないか?というほど一癖も二癖もある科目です。内容は、政治の沿革からコロナ対策、地理、エコ、経済など多岐にわたります。対策らしい対策もなく、あまり時間をかけるのは得策ではないともいわれますし、過去問も2度目以降を解く必要はないかと思います。ということで、余裕があるうちに解いておきたいところです。

⑦どの教科からスタートするか決める

各教科をどの順序で進めるか、上述の通りいろいろな説がありますが…。何から始めたら良さそうか、過去問を解く前と後では気持ちが変わっているはずです。私は過去問を解いて「一番ヤバそう」と感じた民法から始めました。そして一番興味が持てた憲法は息抜き科目と判断して学習に組み込みました。もちろん一番ボリュームがある行政法にいち早く到達したいところ。過去問をとくと、途端に各科目の強弱が見えてきますね。

おわりに

まず何からやればいいかな…と思ったときに、欠かせないのが試験その物を理解することです。そして「行政書士ってどんな試験」という疑問にストレートに答えてくれるのが、過去問ではないでしょうか。

過去問を何周するか、何年分掘るか、どのタイミングで取り組むか…。合格者のなかでも色々なアプローチがあります。どの手法をとるにせよ、「最初に1年分を解いてみる」がおすすめです。

なお、過去問は試験委員会の公式サイトでも公開されています。まだ問題集を入手されていない方は、ぜひご覧ください。

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