資格取得について家族の理解が得られないとき|資格と夫婦の関係

勉強日記

子持ちの既婚者が資格取得を目指すとき、既婚者なら「夫・妻の理解」が不可欠。将来のためのチャレンジを後押ししてもらいたいところですが…。お互い期待通りにいかないこともしばしば。資格の勉強中、パートナーとの関係はどう築いていくべきでしょうか。

将来のために資格をとりたい!夫・妻の反応は…?

(夫婦の絆ってなんでしょう…)

こんにちは。2児の母で勉強中の管理人です。突然ですが、資格試験に合格した人のインタビューや、実際に社会で活躍されてる方の話を聞くと「家族の支えがあったから」というエピソードを耳にしませんか?家族の理解があったから。協力があったから。応援してもらったから…。

私自身も産後に3つの国家資格を取得し、どれも夫の理解あってこその合格です。しかし、夫がいつも手放しで応援してくれて家庭が全て上手くいっていたかというと…少し言葉に詰まってしまうものがあります。果たして「応援」や「支え」の意味とは。

「家族の支え」のイメージ

TV雑誌にも登場されている弁護士の大胡田誠先生の手記でこんな話があります。受験当時お付き合いされていた恋人(今は奥様)が手料理やお気に入りの曲を編集したMDを差し入れしてくれて励まされたそうです。合格発表の日は電話口でうれし涙を流してくれたとか。お二人の絆の強さを感じさせる素敵なエピソードです。

ほかにも既婚者の方でこんな体験談をお見掛けしました。

既婚、子無し、資格取得の勉強中の妻の立場です。 休日私が予備校で勉強している間、夫は一切の家事を担ってくれます。 (これまでは二人でしていました) 駅まで送り迎えもしてくれます。 『勉強に疲れたら甘いものがいいよ』とケーキを買っておいてくれることも

Yahoo!知恵袋

差し入れをしたり身体を気遣ってくれたり。家族や恋人から受験生への「応援」というと、これらのシーンは象徴的ですよね。

しかし、資格の勉強に「育児」が加わると事情はガラリと変わります。

資格の理解が得られない?夫婦のトラブル

育児と資格と夫婦の関係。どんな家庭にもそれぞれの事情がありますね。ここからは育児中のご家庭で、妻or夫の資格取得が問題になったケースをみていきましょう。ご自身に覚えがあるエピソードがないか、ぜひご覧ください。

そもそも許してもらえない件

資格取得は子供が大きくなってからにしてくれと旦那に言われました… 私自身、今は育児中です。時間があるため、通学したりして資格を取りたいと言ったら、資格取得の資金もないし子供をどこにあづけるんだ、せめてもう少し貯金がたまってからにしてくれと言われました…

同上

「資格に挑戦する」というと、世間では前向きなイメージを持たれることが通常です。しかし、赤の他人が試験を受けるのと自分の妻・夫が受けるのとでは話が違う。どこにそんなお金が?時間が?余裕があるのか?…といきなりの反対モードの場合も。

上のケースでは前提として奥さんが専業主婦というのも大きな要因でしょう。自分が働いていないと夫に対して強く出られない、何をするにも「お願い」ベースになりがちです。

費用は100万円?お金の問題

夫は結婚前から一級建築士の試験を受け続けています。一次で落ちたり二次で落ちたり、とにかく落ち続けています。(略)ここまでの予備校代は百万を超えます。家計から出資していますが、家計簿を見て夫はなぜ貯金が貯まらないのか?食費かけすぎでは?と言います。予備校代にかかっていると言うと「それとこれとは別」と返されました。

同上

資格代に100万と聞いて、驚くでしょうか。いま司法予備試験に挑戦中の筆者もやはり100万円程度は支出予定。上記の旦那さんは資格に落ち続けているそうですが、難関資格ならストレートで受かっても100万以上の予算が必要です。

資格の費用はピンキリですね。TOEICなどやりかた次第で試験代のみですむものもあれば、5万、10万、100万円…。そしてこの金額の受け止め方は人それぞれ。

特に高額資格の場合は自身の独立した貯金から賄うのがベターですが、それだけで話は済みません。育児にはお金がかかるし、車や家も買いたい。そのために節約をがんばってるのに!…大きなお金を自己啓発につかうのをヨシとしない妻・夫も多いでしょう。

またそもそも「自分の貯金」が存在しないケース、お金はすべて一つの口座・一つの家計簿で一括管理している場合もあるでしょう。財布は別派と一緒派。いずれにしてもヘソクリは必要ですね…。

資格の勉強=ずるい?

普段から妻が育児でイライラしており、帰宅後家で勉強をすると、「貴方ばかり自由でずるい!」と怒るので帰ってからは子供の風呂、ご飯を食べさせ、遊び相手に付き合っています。

同上

忙しくて忙しくて毎日が戦場!育児や共働きで時間に追われる状況で、妻・夫の一方が資格の勉強をするとなると快く思われないケースも。

上記のご夫婦について、個人的には旦那さんの肩を持ちたいような…。趣味の資格なら別ですが、職業に関係する資格なら仕事の内ともいえます。

とはいえ、産後の育児中「こっちはこんなに大変なのに!」と叫びたい妻の気持ちも分かります。一つ言えるのは出産直後のご家庭に「机に向かって落ち着いて勉強」というスタイルは不向きです。

いずれかが体と心の限界を尽くして育児している状況で、「1日最低1時間は書斎にこもりたいのだけど」などと言おうものなら、合格証と引き換えに夫婦円満をドブに捨てることになりそうです。赤ちゃんを抱っこしながら勉強、寝かしつけしながら暗記を進めるなど育児と並走するのが基本です。

家事の手抜きは見逃して!

妻が超難関資格に挑戦しています。通信教育の予備校で勉強しているらしいです。 でも今は世界的な不況で司法試験に合格した弁護士でさえ 就職難だと言います。その資格取ったからといって 食べていけるかどうかなんて分からないのに 妻の勉強時間は一日十時間にも 及び、家の事はほとんどやりません

同上

受験生の妻が、夫から指摘されることとしては家事のクオリティ。育休中のママや専業・パート主婦の場合、「家事は基本的に妻が担当」「家事に手を抜く=仕事してない」という図式になってしまうのでしょうか。

たしかに男性が一日仕事して帰ってきて家が惨状だったときは疲労倍増でしょう。「育児が忙しくて」なら理解できるけど、「自分の勉強が忙しくて」はピンと来ないのも分かります。

しかし実際問題として、子どもの乳幼児期の勉強なんて、スキマ時間の数分を駆使するものですから、それで家事に手抜きと言うのは昭和の頑固クソ夫を名乗り出るようなものなのです。つまり、「あなたは家事育児の現実を知らないからそんなことが言えるのね」という話に突入してしまいます。

勉強する暇があるのなら?

それにしても「勉強する暇があるなら育児をしろ」「家事をしろ」というのは夫がいわれるにせよ妻がいわれるにせよ、残念な言葉です。

SNSでは育休中に資格取得する人への批判が定期的に話題になります。(いわく、育休は自己啓発のための休暇ではない、とか。)

でもこれってもはや空想上の批判であって。受験生は、スマホの壁紙とトイレのドアに暗記シートを貼りつけるような勉強をしているわけですから「そんな時間があるのなら」は「1秒たりとも自由にするな」に等しいわけです。

「そういうアナタだってスマホいじってる時間があるなら!」と応戦していったら家庭崩壊しそうではないですか。

資格取得について夫・妻の理解が得られないとき

合格までの道のりは長く険しいものですから、身近な存在である妻・夫には理解してもらいたいものです。しかし、「資格に挑戦したい」と伝えたらパートナーに険しいリアクションをされた。何かにつけて文句をいわれる。そんなとき、どうすればいいでしょうか。

「勉強中」は免罪符にならない覚悟

日々勉強を継続していくのは、本当に大変なことです。決して遊んでいるわけでもない。将来のため、家族のために資格をとる人も多いですよね。とはいっても…仕事、育児、家事だっておろそかにできない。ドライな表現ではありますが、勉強中でも自分の「役割」を放棄できないということでしょうか。

一つ一つの事も問題ですが、要するに「家庭を(というか私・俺を)後回しにしていない?」というのが大問題。トラブルを未然に防ぐ、問題が小さいうちに対処するためには家庭と両立する努力と相手へのフォローが必要といえるでしょう。

また、受験生の妻・夫を持つ相手側から見れば「こっちは資格に挑戦するんだから配慮してよね」と言わんばかりの態度は大迷惑でしょう。

応援されなくても気にしない

相手へのフォロー・気遣いを忘れずに…。といったところで締めくくりたいものですが。実際のところ、円満にいかない場合は諦めも肝心です。特に自分の妻・夫が相手を支配・干渉したいタイプであったなら。もしくは、出産直後のように何事も上手く回らない非常事態であったなら。「上手くやるコツ」は見つかりません。

相手に「応援してくれる家族」という理想を押し付けず、割り切ることも必要です。試験を受けるのは妻・夫ではなく自分なのですから。

この人とやってける?夫婦の試金石になる

資格の勉強に限ったことではありませんが、余裕の無いときこそ夫婦の本質が試される…!この人は自分を肯定してくれるか。ピンチのときに手を差し伸べてくれるか。相手を否定して満足するタイプか。

勉強中に各々が感じた違和感が、今後の夫婦関係をどう築いていくべきか考えるキッカケになりますね。私自身も、専業主婦時代に資格をとったことは、仕事を始めたり夫から精神的に自立するキッカケになりました。

反対もシカトして勉強

よりストレートにいってしまえば、受験生なら家族の反対も無視するハートが必要ですね。

一番身近な人に反対されるのはキツイ。価値観の違いが浮き彫りになる。でもそこで折れてては資格挑戦なってやってられません。家族に反対されて「じゃぁやめとこう」となるなら、そこまでというのも現実で。家族の理解が得られなかったとして、それを勉強ができない言い訳にはできません。

受験生の中には家事・育児・仕事に加えて介護や大病などを抱えている人もいますし、経済的に厳しいから難関資格も完全独学、という人だっています。ちょっと家族にごちゃごちゃ言われたくらいはシカトする強さも必要です。

今は反対されていても

資格挑戦と聞いて、とりあえず気に入らないから反対する…という妻・夫も世にはいるようです。

私自身の夫・親も、何か新しいことに挑戦するとなると最初のリアクションは”とりま批判トーン”が脊髄反射的に染みついていて、「報告しなければよかった」と裏切られた気持ちになることがありました。

しかし、最初に挑戦した国家資格から10年経って、ここ数年は理解・応援モードに変わってきた気がします。少なくとも「え?」と疑いの目を向けられることはなくなりました。それは勉強するのが当たり前の生活をここまで続けたからだと思っています。(家族からすれば、諦めという名の理解もあることでしょう)

つまり家族の声を「シカト」というのは気持ちの割り切り・納得、という話にすぎませんから、その点はご理解いただけると。気遣い歩み寄りでうまくいく道を捨てていいということではない。そして歩み寄れなくても、時間が解決することもあるでしょう。

受験サポートがしんどいとき

ここまで主に勉強をする側に視点を置いてきましたが、ここで受験生の家族の立場で考えてみましょう。資格挑戦?将来のために勉強?それはそれは結構だけど。正直サポートするのもしんどいんだよね…。ストレスが溜まり溜まったとき、どうすれば良いのでしょうか。

勉強そのものを否定しない

周囲のリアクションとして最も踏みたくない地雷は、勉強すること、資格に挑戦することそのものを否定することです。

お子さんが小さいとか、家事が回らないなど資格を応援できない理由はさまざまありますが、究極の究極でいってしまえば、「勉強すること」そのものを根こそぎ否定するのは不利というものです。

上で勉強は「子供が大きくなってから」と妻に言った夫さんの話に触れました。このご夫婦の詳細はわかりませんが、ここだけ抜き出されるとほんのりモラハラの香りさえ漂ってしまいます。

「【今は】勉強やめて」と伝えたとして、それを夫・妻が「勉強を反対された!」ととらえたら…夫婦仲がこじれるのは必至。しかもそれを「ひどくない?」とばかりに周囲やX仲間につぶやく人も。どんな前置きをするにしても「勉強やめて」だけは言わないでおきましょう。

やることさえやってくれれば!

おそらく世の妻・夫はこれを言っている。「家のことさえやってくれれば」「勉強応援するよ!」

正直にいってこのフレーズにも課題や火種は山積みです。なのですが。結局のとこ夫婦の家事・育児分担、パワーバランス諸々を考えたとき、「やることさえやってくれれば応援するよ」というのは一番、おさまりがよく、相手(受験生側)がNOと言い難い

勉強反対してないよ?でも家庭だって大事だよね?家族がどうでも良いわけじゃないでしょ?丸投げじゃないよね?まさかね?家のこともちゃんとやったうえで勉強に打ち込みたいって意味だよね?…それならもちろん応援するよ!

…と、こんなスタンスです。(書いてて怖い!)

やるべきことはドライに伝える

上の二つを踏まえたうえで、あれをやってほしい、これを直してほしいなど個別のことについては、『仕事』としてドライに具体的に伝えるのがおすすめです。

たとえば、「子どもと時間を大切にして」という要望でさえ、ふんわり伝えないこと。「夕食が終わって私が皿洗いしている間は子どもを見ていて」とか、「1日1回も子どもとじっくり喋ってないのが見ていてモヤる。自分でどのタイミングなら子どもと関われるか考えてみてくれない?」といった具合に。

あくまで勉強に反対しないというスタンスを崩さず夫婦のパワーバランスを計るためには、もう直球で「あれやって」「これ直して」と伝えるより他ないのでは。

家庭と勉強どっちが大事?…って無意味

たとえば…こちらがクタクタななか家事をやっている間、あちらは勉強している。「昨日も私があれやったよね」「今日は体調が悪いって伝えたよね?」「え、なんで?」

…の、なんで?の部分をぶつけても、感情の行き違いでお互い削られていくように思います。

社会人が資格に挑戦するときはキャリアやライフプランを見据えて取り組んでいることが通常。合格には「できる範囲で」という緩い取り組みではなく毎日必ず勉強することが求められるのが現実ですから、勉強=やるべきこと=仕事の延長や一部という感覚の人が大半ではないでしょうか。

そうすると、勉強と家庭どっち?という疑問って、仕事と家庭どっち?と同じくらい、誰も幸せにならない問いといえます。

相手への「口出し」って微妙

家庭を大切にするためには、社会的活動をしなければならない。その社会的活動の中で、あれはムダじゃない、これは何の意味があるの?とパートナーが口を挟むのは正直微妙です。

というのも、家事育児のことだって相手に意見されたらピリッとするじゃないですか(夫婦共闘とはいえ)。

「え?その家事意味あるの?無駄じゃない?そんな暇あるなら別のことやってよ…」なんて妻・夫が言ってきたら最悪です。自分が曲がりなりにも真剣に取り組んでることに茶々を入れられると、場合によっては人格を否定されたように感じてしまいます。

ダメだししてOKなのはダラダラ系受験生

そうは言っても黙ってられない。そんな奥さま旦那さまへの提案としては、お叱りはダラダラ勉強してるな~と思ったここぞという時に絞ることです。

反対に、受験生がスキマ時間を死に物狂いでやりくりして勉強してるときにいう「自分だけずるい」というツッコミは、言う方側もダメージ覚悟が必須です。ストイックな人にダメ出しするということは、同じレベルのストイックさを求められても文句が言えないのです。少なくとも、「じゃぁ君・あなたはどうなんだ」と業務審査が入ってしまいますから、夫婦関係がマズイことになるのは必至。

あなた自身の…スキマ時間にふとスマホを見たり、友達や離れて暮らす実家の家族と久々に連絡をとりあったり、たまに時間を作って美容院や買い物に行ったり(今すぐでなくてもこれからのことも)

そういう、ちょっとした行動・活動を取り上げてツッコミされるのはツラいです。正論戦争は無理、ぜったい。このタイプの受験生には「あれやって」とピンポイントで要望伝えるのがベターです。

おわりに

いかがでしたか?

産後間もなく夫が難関資格に合格した後、1年足らずで離婚した知人がいます。そんな家庭もあることを思うと、時にはお互い言いたいことを言い合う機会も必要かもしれません。犬も食わない夫婦喧嘩からも、得る物はあるでしょう。

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