11月の行政書士試験に向けて、市販の模試で学習の進歩をチェックしてみませんか?市販の模試ならどれを選べばいいでしょうか。おすすめポイントとレビューをまとめました。
試験本番の前に…模試って受けるべき?
こんにちは、模試が苦手な2021年度合格生です。苦手すぎて「できることなら模試を受けずに受かりたいなー」と思っていたのですが、やはりそうは言っても…1回くらいは市販の模試を解いた方がいいのだろうか。迷った挙句にLECの模試を3回解いて臨んだのですが、その感想を踏まえて各社の模試を比較しました。
模試って何のために必要?
模試の良し悪しはいろいろな所で語られてますが、模試を盲信しすぎるな!(ダジャレではありません)…っていうスタンスの先生でも1回くらいは解いておきなさい、という意見であったり。ぶっつけ本番で臨むより、なんだかんだ何かしらの模試を解いておいた方が安心はできそうです。
模試を受けるメリットまとめると次の3点です。
- 試験の傾向分析・出題予想をチェックできる
- いまの自分の実力がわかる(?)
- メンタル的に自分を追い込める(?)
法律の改正ポイントをチェックしたり、それを踏まえた予想問題を解けるのは大きなアドバンテージ。
一方で、模試を解いて気になるのは点数ですよね。自分がだいたい何点とれるか…本試験までに、どれくらい頑張らなくちゃいけないのか。ここのところ、やはり模試は本試験と異なるだけに正確な数値は出てきません。私は試験一週間前に解いた模試がおよそ150点。→本試験は記述抜きで182点・トータルは210点でした。最後の直前期を追い込んだにしても点数に大きな開きがあります。
記述式を正確に自己採点することができないため、点数はあくまで目安の目安と割り切っておくことがおすすめです。模試の活用法は後述しますので、あわせてご参照ください。
市販の模試はどれがおすすめ?主要各社とレビュー
1回分の模試を解くだけでも2時間~3時間はかかるだけに、何冊も解く人は少ないですよね。市販の模試からどれを買おうかな、とお迷いの方に、主要各社の情報をざっくりまとめました。
過去年度版を使用した方のamazonレビューを参照しています。そして資格教材のあるあるですが…出版社が「先取りプログラム」でレビューを収集しているケースが多く、件数や内容に偏りがありました。レビューの中立性もふまえておすすめ順にご紹介しています。
(レビュー内の仕様に関する情報は最新版と異なる場合もありますのでご了承ください。)
1.伊藤塾
- 発売:2022年5月
- 収録数:2回分
- 巻末に『合格への特別講義』を収録
法律の予備校と言えば本家大元は伊藤塾。いち早く2022年版の模試を発売しています。作問の質、解説の質に定評がある伊藤塾。(特に作問のレベルを見ると、コッチを買えば良かったかな…と)
行政書士試験の実戦形式での予想問題が2回分収録されています
法律系に強みを持つ予備校なだけあって、特に法律系科目の解説はとても濃密に書かれていますマーク式・記述式の解答用紙が付いていないようなので、解答用紙用の適当な紙を用意するか問題用紙に直接書き込むという形になると思います
また解説動画もあるようです(7月下旬から公開とのこと)
amazonレビュー
2.行政書士試験研究会
- 発売:2022年4月
- 収録数:3回
- 取り外して使える『直前総まとめ』を収録
肢別問題集が人気の「合格革命シリーズ」。解説がテキストとリンクしているので同シリーズで揃えたい人には打ってつけ。他社の教材を使用されている方は要検討かもしれません。
前のほうにある3回分の模試が取り外せるようになっていて、残った後ろ部分に解答と解説があります。予想模試はまさに本番さながらという感じで、内容も問題の出し方もほぼ本試験と同じようなものだと思っていいと思います。(略)
amazonレビュー
ありがたいのは解説のページで、これがかなり詳しくわかりやすいです。(略)
しかも、テキストの何ページに書かれているのか、細かく書いてくれてあるので、見直すときにものすごく助かります。テキストとセットで使った方がいいでしょう。
3.LEC
- 発売:2022年4月
- 収録数:3回
- 改正情報をまとめた付録や無料動画配信も
筆者が使用したのはこちらの2021年版でした。作問と解説のクオリティはまずまずといったところ。付録の改正まとめはとても分かりやすく大満足。値段相応でおすすめです。
効率的な試験直前対策ができる行政書士の模試のテキストです。
テキスト後半の解答解説に模試のすべての問題に本試験での出題頻度=重要度と正答率が掲載されているので、模試を解いてから解説を確認すれば「本試験での出題確率が高い問題をどの程度落としているか」ということを素早く洗い出すことができます。
問題の解答には一つ一つの根拠が示されているので、身につけた知識の整理にも役立ちます。
amazonレビュー
4.TAC
- 発売:2022年4月
- 収録数:3回
- 巻頭の各種まとめが充実
改正ポイントはもちろんのこと、試験での時間配分や解き順、一般知識の解説など読み物が充実。『答案用紙のダウンロードサービスあり! 』とのことで、つまり3回は解いて!とおススメされているのですが、自分が買ったとしてそんなに繰り返し解くだろうか…。いや、使える物はあるに越したことはないですね。
3回分の予想模試が本書のキモでしょう。「2019年度本試験も当たった!」を見ると、予想問題作成者の凄みが伝わってきました。どんな試験でもそうですが、本試験の問題を当てるのはよほどその試験に精通していないと当たりません。この掲載問題の優れている点が本書の強みでしょうし、何より問題の解説の詳しさが本書のポイントでしょう。
また巻頭の「最新! 法改正総まとめ」も押さえておく箇所です。民法改正はトピックスですから、出題者も狙ってくることが予想されますので。
amazonレビュー
5.その他
コンデックス情報研究所からも模試が発売されています。また東京法経学院編集部から昨年・一昨年と7月1日に模試が発売されています。
結局のとこ市販の模試はどれを選べばいい?
主要4社の市販模試をご紹介していきましたが、お気づきの通り一長一短ではあります。
目立った違いとしては伊藤塾が2回分のみ収録…でも大手の安心感プライスレス(?)といったところでしょうか。他の3回分を収録している各社では、果てしなく僅差。
今年の出題予想があたるかどうかも結局のところは分かりませんから、パッと気に入った物を買ってサクッと解いてしまうことが賢い選択といえるでしょう。お持ちのテキストと連動させたいか、あえて他社の教材を取り入れたいかで選ぶのもおススメです。
いつ解くの?何回解くの?模試の活用法
模試を入手して、読んで解いて答え合わせして…。当たり前といえば当たり前ですが、模試にかかる時間的なコストって馬鹿になりませんよね。
模試はいつ解く?
優先度の高い過去問を1周解き終わってから模試に着手される人が多いでしょう。模試の1回目を学習初期~中期で解いたなら、2回目は中期~直前期。学習のスタート時期にあわせて、マンネリしそうなタイミングで解くのがおすすめです。
スタートではなく最後の模試をどこに持ってくるかを決めてもいいかもしれません。落ち込みやすいタイプの方は試験直前期をはずし、10月には解き終えるとその後のリカバーが効きます。
なお、夏以降スタートの直前期受験生は、問答無用で9月10月11月模試連チャンとなります。この層の方は2回分模試の伊藤塾を選ぶのが無難かもしれません。
模試は何回解く?
模試をどれだけやるか、という問題については1冊買ってその中の2回~3回を解き、間違えたところを繰り返し解くというのが標準。過去問に関しては繰り返しやりこむ受験生が多い一方で、模試については回数を競う声も聞こえません。復習を何回やるべきか、2冊目をやるべきか、といった問題は残り時間との相談になってくるでしょう。
1冊1周~2周したところで過去問と模試とどちらを優先すべきか考えるタイミングです。
模試で良い点がでなくても気にしない
行政書士試験の配点は1問4点。この配点の大きさは特徴的です。
たとえば法令等の択一で2問、一般知識で相性の悪い問題がそろって2問、文章問題で凡ミスして1問…と「今回はちょっと調子がでなかったな」というだけで20点の開きができてしまいます。さらに記述式ともなると何が出るか誰にも分かりません。
模試を受けた結果が合格点にはほど遠い点数だった…。という方も「どうせ2、30点くらいブレがあるから!」と思い出して気持ちを持ち直してください。
筆者は試験超直前の模試で150点程度でした。同時期に『模試を受けたら170点でした』『180点超えられました』という受験生のつぶやきを見るとズドーンと落ち込みました。「周りの人はみんな自分よりできてるかも」と思い込まないようメンタルを鍛えるのも、模試に習うべきことかもしれません。
本番以外なら何度失敗してもOK。気おくれせず、学習を進めていきましょう!
コメント